化痰の食材
痰をなくす作用がある食材です。
味鹹、性寒、肝・腎・胃経
生命は海から誕生したといわれ、人間の体液のミネラルバランスは
海水のそれに似ているといいます。
昆布は長い年月をかけて海のミネラルを吸収し育っているのですから人間にとって必要な栄養を多く蓄えているのは道理至極かも知れません。
平成14年の総務省統計局の調査によると、日本で一番昆布を消費しているのは富山で、全国平均を飛びぬけて上回ります。
富山で昆布が採れるわけではないため、ちょっと意外ですが、歴史的に富山と昆布の関係は深く、それには漢方薬も関わりがあるようです。
江戸時代、富山は北前船の寄港地として、北海道からニシン、昆布、数の子が運び込まれていました。
富山といえば薬売ですが、薬は藩の経済を支える大きな産業で、その原料となる生薬は清(中国)からの輸入に頼っていました。
一方の清ではヨード不足による病気に苦しむ人が多く、その特効薬として昆布を必要としていました。
お互いの利益が一致して、生薬と昆布を交換するような形で取引がおこなわれていたそうで、昆布なくして今のような漢方薬はなかった(?)のかもしれません。
昆布は民間薬として昔から用いられていますが、その効果には動脈硬化の予防、高血圧、痰、利水、便秘解消などがあります。
効果の高い食材であるからこそ、両刃の剣であることも知っておいた方がよいでしょう。
昆布に豊富に含まれるヨードは過剰摂取すると甲状腺機能亢進症により健康を害する恐れがあります。
昆布に含まれるフコイダンが体にいいと注目され、根昆布水や、昆布のサプリメントを飲む人がいますが、とりすぎで体調を崩す人もいるため気をつけてください。
もちろん普段食べるには何も問題ありません。
話が少しそれますが、ヨードを使ったうがい薬。これも同じ注意が必要です。
うがいは体に良いので、うがい薬を入れたほうが尚更いいだろうと、日に何度もヨード入りのうがい薬を使い続けているうちに、動悸がひどくなり、甲状腺機能亢進症になっていたという人もいます。
むやみに使わないことです。
ガラガラとうがいしたあと、ごっくんと飲めるうがい薬があるそうですが間違ってもヨードのうがい薬でごっくんをしてはいけません。成分がまったく違います。
特に子供では飲んでしまうこともあるでしょうから気をつけてあげてください。
薬膳の視点からみて昆布で注意すべきことは、虚症の人や寒症の人(体力がなく、声が小さい、便が軟らかい、冷たい飲み物よりも、暖かい飲み物が好き、冷え症)には向きませんので控えめにすることです。
昆布は実証の人に向いています。
血圧が高め、便秘がちで、比較的体力があるガッシリタイプというのが実証の特徴です。
ダシをとったあとの昆布は捨てずに刻んで煮物やサラダに入れたり、(一手間を厭わないなら佃煮や塩昆布にするのももちろんいいですね)味付けに昆布茶を使ったり。
毎日少しずつ食べる工夫をして生活習慣病の予防に役立ててください。
昆布には痰をなくす効果がありますが それは黄色く粘りのある痰の場合です。
白っぽい痰がたくさんでるという場合には適しません。
食材の効能
- むくみ
- 化痰
- 解毒
- 各種の腫れ
- 高血圧
- 水分代謝改善
- 生活習慣病
- 熱を冷ます
- 利尿