補益の食材
身体の気・血などを補い、身体を丈夫にし、病気に対する抵抗力を高める食材です。
味甘・苦、性涼、心・肺経
正月を過ぎるころから、寒さも本格的になり空気の乾燥もいっそう増してきます。
この頃になると、乾燥によって肺や気管支が痛めつけられ、コンコンと乾いた咳がしつこく続くことがあります。
そんな症状に効果があるのが百合根です。
正月前には価格も上がり高級食材という感がありますが
年明けには値が少し下がり普段の食卓にも使いやすくなります。
使い慣れない食材なので、調理方法がパッと思い浮かびにくいのですが、ポテトサラダのポテトの代りに入れたり、カレーに入れたり、グラタンに入れたり、野菜スープに加えたり。癖のない味で意外となんにでも馴染みます。
やさしい歯ざわりと、穏やかな味に似合わず、すごい食効をもっているのがこの百合根です。
先ほどご紹介したとおり咳に良いことが昔から知られていますし、不眠、イライラ、動悸など、精神的に不安定な状態を改善します。
また、ヒステリーにも使われます。
ヒステリーというとカッとなる気持ちを抑えきれずにキーキーとわめき散らす人をいったりしますが、これは性格をさす一般的な使いです。
実際に病気として発症するヒステリーとは、実際に身体には悪いところはないのに、現実逃避したいという気持ちが様々な症状を引き起こすことです。
例えば学校や仕事に行きたくないという気持ちが、頭痛を引き起こす、あるいは歩けなくなる、嘔吐する、熱が出るなどの症状となって現れ、実際に学校や職場へ行けなくなるといったことが起こります。
その他にも、記憶をなくす、多重人格が出る人もいるそうです。
(現在はヒステリーという病名は使わず、解離性障害、身体表現性障害と呼んでいます)
大きくておいしい百合根を採るためには、植えつけてから、ずっと蕾を取り続け(花に栄養をとられないようにするため)3年ほど土の中で過ごしてやっと収穫されるのだそうです。
たいへんなスローフードですがその分、肺や気管の乾燥を潤し、カサついてしまった心も癒してくれるというわけです。
病気とまではいかずとも、我ながら、ヒステリックに泣いたり、わめいたり、怒ったりしてしまって、あとあと落ち込んでしまうことはありませんか?
過去のことを後悔するより、百合根を食べて心の余裕を取戻したいものです。
食材の効能
- 空咳
- 心を鎮める
- 精神疲労
- 動悸
- 不安感
- 不眠
- 補益